全国でも珍しい伝統漁法「やな漁」を奈良県五條市で体験しよう!
奈良県五條市には吉野川が流れており、水運に優れていたため、南大和の中心地として栄えていました。
今回は奈良県五條市に大きな恩恵をもたらしている吉野川に関することとして、奈良県五條市の伝統漁法「やな漁」についてご紹介していきます。
奈良県五條市のやな漁
奈良県の中心に位置する吉野川は、昔から魚の生産量が高く、アユなどの川魚が多く泳いでいます。
そのため、吉野川のほとりに住む人々は漁業を中心に豊かな生活を送っていました。
そんな吉野川の漁業を支えた漁法の1つが「やな漁」です。
「やな漁」とはどのような漁法?
やな漁は、川に杭を打ち込み、竹や木を使ったすのこを張り巡らせ、川の上流から泳いでくる魚を捕らえるという伝統漁法で、全国各地で行われています。
この仕掛けのことを「簗(やな)」といい、かつては秋の川を下るアユの川魚を獲るために使われました。
秋頃に川の中流から上流で過ごしていた子持ちアユが、産卵のために川の下流域まで下りてくる習性を活かした漁法となっています。
奈良県五條市のやな漁では、産卵前の子持ちアユ(落ち鮎)が、一気に約100キログラムも「簗(やな)」に落ち込むことで、まさに「大漁」に獲れたこともあったそうです。
やな漁の歴史は約1,300年以上!?
やな漁の歴史はとても古いです。
「簗(やな)」を活用した漁法について、日本最古の書物「古事記」そして「日本書紀」に記載がされています。
古事記に記載されていた一文を引用すると下記の通りです。
“吉野川の川尻に至りし時、簗をうちて魚を取る人あり。天ツ神、汝は誰ぞと問いければ、僕は国ツ神、名は贄持(にへもつ)の子、阿田の鵜飼部(うかいべ)の祖なり”
712年に完成されたと言われる「古事記」に「簗(やな)」を活用した漁法について記載されていることから、やな漁はとても歴史の長い伝統漁法であると言えますね。
奈良県五條市とやな漁の繋がりとは?
出典:吉野川(吉野町流域)|奈良県観光<公式サイト>あをによし なら旅ネット
奈良県五條市とやな漁の繋がりについて紹介をしていきます。
先ほどご紹介をした「古事記」の一文の中に、“吉野川の川尻”と記載されていましたが、現在の五條市阿田から下流の宇智、宇野、五條、二見あたりまでの範囲を指していると言われています。
そのため、「やな漁の歴史」を学ぶと、「奈良県五條市のやな漁」に繋がるのです。
また、奈良県五條市の中でも、吉野町上市では伊勢湾台風(昭和34年)まで、東吉野村小栗栖には昭和50年頃まで地域を流れる吉野川に「簗(やな)」が設置されていました。
そのため一時期、奈良県五條市でやな漁ができる場所はありませんでした。
しかし、平成14年より大川橋付近で「観光やな漁」が始まったのです。※1
※1:現在、「やな漁」の体験は現在、休止しています。奈良県五條市での「やな漁」の最新情報が気になる方は、下記のサイトをチェックしてみてください。
やな漁にあわせてご紹介!奈良県五條市のおすすめ紅葉スポット
秋に行われるやな漁にあわせて、奈良県五條市のおすすめ紅葉スポットもご紹介します。
今回ご紹介したいのは、 目の薬師、紅葉の寺 瀬之堂大澤寺です。
約1,300年前の白鳳文化時代に建てられた瀬之堂大澤寺は、古くから“目の薬師”、また紅葉の名所として知られています。
瀬之堂大澤寺は「紅葉の寺」の愛称があるほど、紅葉の景色がとても綺麗ですので、ぜひお近くを通った際は、訪れてみてはいかがでしょうか。
名前 | 瀬之堂大澤寺 |
住所 | 〒637-0077 奈良県五條市大沢町581 |
お問い合わせ |
【電話】 (0747)23-1744(8~21時) 【お問い合わせフォーム】 |
人々の生活を支えていた伝統漁法「やな漁」
今回は奈良県五條市の伝統漁法「やな漁」についてご紹介しました。
近年は漁法も発達し、伝統漁法である「やな漁」は失われつつありますが、五條市では秋にやな漁を体験できます。
全国でも珍しい「やな漁」を体験しに、ぜひ一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
五條市地域商社では、奈良県五條市をもっと楽しんでもらうために、さまざまな情報を発信しています!
下記の記事では奈良県五條市で楽しめるトレッキングツアーを3つご紹介しています。
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