奈良県は割り箸の生産量が日本一で、国内生産の約7割を占めており、特に吉野地域では吉野杉から作られる割り箸の生産が盛んに行われています。

そこで今回は奈良県の特産品である割り箸についてご紹介します。

割り箸の伝承や奈良県で作られている最高級割り箸「利休箸」などについてもご説明していきます。

割り箸で日本一の生産量を誇る奈良県

奈良県は古くからの地場産業が盛んですが、その中の1つに割り箸があり、国内生産の約7割を占めています。

そして実は割り箸生産が始まったきっかけも奈良県であるとされています。

割り箸生産始まりの場所、奈良県吉野地域

出典:奈良の木とは|奈良の木のこと

明治時代、奈良県吉野地域で樽を作る材料として使っていた杉の木が、多く余っていました。

その余った木をどうにか利活用しようと始まったのが、割り箸の生産です。

現代でも日本製の割り箸は丸太から建築用材として使われ余った部分や、間伐材が使われています。

これらのことから割り箸生産は、”勿体ないことを無くそう”という精神が今も受け継がれている産業です。

また、奈良県吉野地域は杉の名産地であり、現代でも奈良県内における割り箸作りの中心地となっております。

箸の神社や祭りも!箸づくり文化が強く根付く奈良県吉野地域

出典:吉野杉箸神社|下市町役場

そんな割り箸文化がある奈良県吉野地方には吉野杉箸神社があります。

これは下市八幡神社の中に祀られている神社で箸の神・材木の神を祀り、日本で初めて建立された箸を神体とする神社です。

毎年、8月4日には「箸祭り」が行われ、山や森林の神に感謝し完成に至らなかった箸などを焼納します。

ぜひご興味のある方は足を運んでみてください。

奈良県特有の最高級割り箸「利休箸」

出典:下市町商工会

割り箸の生産量日本一を誇る奈良県では、最高級の割り箸である「利休箸」が作られています

「利休箸」は吉野杉を使った割り箸で、形は中央が太く両端が細くなっています。

箸の長さ方向に木目が揃っているため見た目も美しく、触り心地もすべすべとし持ちやすいのが特徴です。

また「利休箸」は名前の通り、千利休と深い関わりがあります。

利休箸にはもともと千利休が客人を招くときに、吉野地域から取り寄せた杉を当日の朝に一本一本、千利休自身が削ってもてなしたという由来があります。

こうした”客人を丁寧に精一杯もてなそう”という千利休の強い思いを、「利休箸」は現在も受け継いでいます。

「利休箸」に思いを込める、奈良県五條市の飲食店「五條 源兵衛」

出典:和食レストラン 五條 源兵衛

「利休箸」が実際に使用されている、奈良県五條市の飲食店「五條 源兵衛」についてご紹介していきます。

「五條 源兵衛」は奈良県五條市の和食レストランで、ミシュランに認定された名店であり、野菜本来のうま味を引き出した料理が特徴となっています。

奈良県五條市の朝摘み野菜や世界各国の野菜など、年間数百種類にも及ぶ野菜を使用した料理を提供されています

そんな「五條 源兵衛」では「利休箸」を使うことにこだわりを持たれています。

「五條 源兵衛」が利休箸にこだわる理由とは

出典:和食レストラン 五條 源兵衛

「五條 源兵衛」では一期一会の精神でお客様をお迎えすることを大事にされています。

こうした店主の思いから、自身と同じように「客人を精一杯もてなしたい」という思いを持っていた千利休に共感し、源兵衛ではひとつひとつ丁寧に作られている「利休箸」をお店で使用されています

このように”客人を丁寧に精一杯もてなそう”という千利休の精神は、「利休箸」を通して受け継がれています。

五條 源兵衛についてはこちら

奈良の自然を活かし、千利休の思いも受け継いでいる割り箸

今回は奈良県の特産品である割り箸についての特集をご紹介しました。

奈良県で割り箸生産が盛んに行われていることについて、「知らなかった」という方も多いのではないでしょうか。

また、今回ご紹介した奈良県五條市にある和食レストラン「五條 源兵衛」では、高級割り箸である「利休箸」と、地域の旬の食材を使った料理を堪能することができます

地域の方々だけでなく、全国にファンがいる人気のお店であるため、ぜひ奈良県五條市に訪れた際はお立ち寄りください。

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