農悠舎王隠堂創業16年目の新たな取り組み「ゆしおプロジェクト」
この記事は、「農悠舎王隠堂」の代表、王隠堂 正悟哉(おういんどう・まさや)さん(以下、「王隠堂さん」)へのインタビュー記事part2です。
part1では創業の歴史や事業内容、商品へのこだわりなどについてお話しいただきましたが、part2では農悠舎王隠堂が新たに始めたプロジェクトや今後の展望などについてお聞きしました。
若者に人気の田舎暮らしを体験できるアウトドア施設「天地のテラスゆしおFARM&EXPERIENCE」についてもお話しいただきましたので、ぜひ最後までご確認ください。
農悠舎で新たに始動した「ゆしおプロジェクト」とは
ーー農悠舎さんといえば農業生産やレストランのイメージが大きいですが、アウトドア施設も立ち上げられたのですね。どのような経緯か伺ってもよろしいですか?
王隠堂さん:五條市西吉野町湯塩を拠点に、農業を営んできました。
しかし、この豊かな地域にも、人口減少・高齢化・後継者不足などによる「農業人口の減少」という大きな課題が立ちはだかっています。
すでに、いくつかの集落は消滅の危機に直面しており、事態は深刻な状況にあります。
有機農業と味の良い農産物、美しい里山の自然と安らぎのある暮らしといった数々の魅力を、一人でも多くの方に体感してもらいたいという想いから、昨年の春に「ゆしおプロジェクト」が始動し施設を立ち上げました。
この地域にある豊かな自然や農業、暮らしを一人でも多くの方に体感してもらいたいという想いから、昨年の春に「ゆしおプロジェクト」が始動し施設を立ち上げました。
ーー五條市の未来につながる「ゆしおプロジェクト」、具体的にどのように進んでいますか?
王隠堂さん:柿山の頂上に放置された農地があり、その場所を有効活用してなにかできないかという社員の声を聴いたのがきっかけで施設の立ち上げに至りました。
まずは地面を平らにする作業から始まり、吉野杉の間伐材を用いてウッドデッキやコンテナハウスを手作りで作ったり、ボランティアで集まって下さった皆様で約1万枚の芝を張り切りました。
そうして昨年7月に「天地のテラスゆしおFARM&EXPERIENCE」をオープンすることができました。
オープン後は絶景の中でアウトドアをお愉しみいただくだけでなく、農業体験や郷土料理作り体験、湯塩地域内の寺院「湯塩山玉泉院」さんでの念珠作り体験や、五條市のヨガ教室、「結風」さんによる森ヨガ体験など、地域の方々のお力もお借りして里山暮らし体験の企画・運営を行っています。
また、本年4月からは当施設で月に1度の「ゆしおのマルシェ」の開催を予定しており、五條市を中心としたモノづくりに励む様々な方々に出店頂き、農産物や加工品の販売、飲食提供やワークショップなども行い、地域を巻き込んでプロジェクトを進行していきたいと考えています。
ーーどのような人が商品を購入したり、実際に訪れていますか?
王隠堂さん:農悠舎の通販やレストランはリピート率が高く、一度訪れていただくとまた来たいと思っていただける魅力があると感じています。
ただ、これまでは年齢層の高いお客様向けの商品やサービスが多く、若年層のお客様には利用しにくいものだったかなと思います。
今後は都市部の方々や若い世代をターゲットにした商品開発や魅力ある地域づくりに繋がる取り組みを行っていく必要があると考えています。
天地のテラスゆしおのオープン後は、これまでなかった比較的若い世代のお客様が施設を利用してくださり、地域や農業に興味を持ってもらうきっかけになっていると感じます。
農悠舎王隠堂が考える今後の展望とは
ーー今後の展望やこれから挑戦したいことがあればお聞きしたいです。
王隠堂さん:農悠舎の取り組みを一緒に行ってくれる仲間を増やしていくことです。地域で働く場所がなく都市部へ流出してしまった若者や、都市部から移住を検討している若者達が五條市で働きたいと思って頂けることが目標です。
その為に農作業だけでは無く、魅力ある地域作りに共に取り組んでいける人材を集めていきたいです。もちろん、若者に限らず、年齢や性別、国籍は関係なく、障害のある方や引きこもり、ニートと呼ばれる方々も働ける環境が当社にはあります。
農業を軸にした持続ある地域作りに取り組んでいきたいです。
若者が「ここで働きたい!」と思う五條市へ
今回は、農悠舎王隠堂の代表、王隠堂正悟哉(おういんどう・まさや)さんにインタビューさせていただきました。
農業を軸にした持続ある地域づくりとして、特産品の製造販売、レストラン、アウトドア施設など、様々な取り組みをされています。
「天地のテラスゆしおFARM&EXPERIENCE」は宿泊できるだけでなく、郷土料理作りやヨガ教室、ゆしおのマルシェなども開催されておりますので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。