五條市地域商社株式会社

王隠堂さん：南北朝時代前期に京から吉野へ逃れた後醍醐天皇を創業者・王隠堂誠海（おういんどう・まさみ）の祖先がかくまい、授かった姓と伝えられています。

王隠堂家は、この由緒ある姓を授るよりも前から、この地で生きてきました。現在、旬の野菜レストラン 農悠舎王隠堂として営業している建物は、築150年の王隠堂邸を一部改装した建物で、蔵にあった昔の様々な道具なども展示しています。

ーーサービスや商品はどのようなものですか？

王隠堂さん：有限会社農悠舎王隠堂では安全、安心な農産物の生産、加工、カタログやインターネットを活用した販売を行なっています。

また、地域資源を有効活用し、五條市西吉野町湯塩地域で地域の野菜をふんだんに使用した料理を提供する「旬の野菜レストラン農悠舎王隠堂」や、柿山にオープンした里山暮らしを体験できるアウトドア施設「天地のテラスゆしおFARM＆EXPERIENCE」の運営を行なっています。

ーーサービスや商品でこだわっていることは何ですか？

王隠堂さん：私たちと仲間の生産者が育てた農産物は農薬・化学肥料の使用を極力減らした栽培にこだわっています。

中でも、特に人気があるのが農悠舎王隠堂の梅干しです。安全・安心な土壌で育てた梅を、有機質肥料を使用して栽培した赤しそと塩だけで漬けた梅干しは、昔ながらの懐かしい梅干しです。

現在、私たちがとくに力を入れて栽培している梅は、「林州（りんしゅう）」と呼ばれる梅です。林州は、後醍醐天皇が南朝を開くより前から地域で栽培されていたと伝えられていますが、近年では「南高梅（なんこううめ）」などへの植え替えが進み、生産量が減少の一途をたどっています。

私たちと仲間の生産者が、手間のかかる林州の栽培にこだわるのには理由があります。先人たちが大切に守り育ててきた歴史・文化を含めて「地域を守る」こと。そして地域に「豊かで明るい農村」を取り戻すこと。

それこそが、私たちが農業を軸にした様々な取り組みを行う理由です。

私たちは地域の生産者と手を取り合って、この地域の“里山のめぐみ”を守り、未来に残していきます。

part2では王隠堂が始めた新たなプロジェクトについても紹介！

今回は「農悠舎王隠堂」の代表、王隠堂 正悟哉さんにインタビューさせていただきました。

農悠舎王隠堂では西吉野の特産品である柿や梅を中心に、こだわりのある安心・安全な食材や商品が製造・販売されているだけでなく、レストランやグランピングなどといった施設も運営されています。

part2では農悠舎王隠堂が始めた新たなプロジェクトについてもお伺いしましたので、ぜひpart2もご確認ください。