“五條市”は奈良県の中西部に位置する小さな都市ですが歴史的な文化財や国宝などがある魅力的な街です。

なかでも鬼が松明を持って暴れる伝統行事『陀々堂の鬼走り』は圧巻で、毎年たくさんの参拝者が訪れます。

今回は奈良県五條市が誇るべき、500年続く伝統行事『陀々堂の鬼走り』についてご紹介します。

500年続く火の祭典。奈良県五條市の伝統行事『陀々堂の鬼走り』とは

まずは奈良県五條市の伝統行事『陀々堂の鬼走り』は「どこで開催されるのか」、「どのような伝統行事なのか」について詳しく紹介していきます。

『陀々堂の鬼走り』は奈良県五條市の念仏寺で行われる!

陀々堂の鬼走り

出典:陀々堂の鬼はしり(国指定重要無形民俗文化財)|奈良県五條市

『陀々堂の鬼走り』は、毎年、お正月が過ぎた1月14日に、奈良県五條市大津町にある念仏寺の陀々堂(本堂)で開催されます。

本尊に阿弥陀如来立像が祀られている念仏寺は、平安時代末より記録に残る奈良県五條市阪合部地区のお寺です。

『陀々堂の鬼走り』は中世以来、阪合部地区の人々によって500年も守り続けられてきた伝統行事であり、鬼走り当日には、奈良県内外問わず、たくさんの参拝者が訪れます。

念仏寺の近くにある上野公園の駐車場から、念仏寺までの送迎バスも出るため、五條市以外の地区からお越しの方は、上野公園の駐車場を利用されるのがおすすめです。

詳しくは下記のページをご確認ください。

陀々堂の鬼はしり|奈良県五條市

『陀々堂の鬼走り』は五條の鬼が大暴れ?!

五條の鬼

出典:陀々堂の鬼面(県指定有形民俗文化財)|奈良県五條市

鬼走りは夜9時の冷え切った念仏寺の境内で厳かにはじまります。

たいまつを先頭に行者たちが陀々堂に入堂したあと、鐘の音を合図に、まずは火祭りの安全を願い『火伏の行(ひぶせのぎょう)』が行われます。

そして静寂のあと法螺貝と太鼓が鳴り響き、鬼の登場です。

赤鬼、青鬼、茶鬼がお堂の天井まで燃え上がるたいまつを持ち、火の粉を振りまきながら堂内をまわります。

3度堂内を回って境内に降り立った鬼たちが、水天井戸に礼参りをして『陀々堂の鬼走り』は終わります。

鬼は住民の災厄を払い、無病息災などの幸いをもたらします。

『陀々堂の鬼走り』は平成7年に奈良県五條市で初めて国の重要無形民俗文化財の指定を受けました。

昼間には “子ども鬼走り” も開催!

 

子ども鬼走り

出典:陀々堂の鬼はしり(国指定重要無形民俗文化財)|奈良県五條市

夜、暗闇、炎の中の鬼が怖いというお子さま連れの方には、昼間の “子ども鬼走り” もおすすめです。

『陀々堂の鬼走り』と同じ日、毎年1月14日の午後4時から、“子ども鬼走り” が開催されます。

たいまつに火はつけませんが、『陀々堂の鬼走り』と同じように、子どもたちが鬼の役割を演じますので、『陀々堂の鬼走り』をご覧の際には、ぜひご一緒にかわいい鬼走りも見てみてください。

奈良県五條市が誇る伝統行事は他にもたくさん!

奈良県五條市には、『陀々堂の鬼走り』以外にもたくさんの伝統行事があります。

今回は、「篠原踊」と「惣谷狂言」の2つの伝統行事をご紹介します。

篠原踊

篠原踊

出典:篠原踊|奈良県五條市

篠原踊は、奈良県五條市篠原地区で天神社に奉納する踊りで、奈良県無形民俗文化財の指定を受けています。

この行事は、かつてオオカミに困っていた村人が、オオカミ退治を祈って村人総出で踊ったところ、願いが叶い、オオカミの被害がなくなったという出来事が背景にあります。

毎年1月に開催されるため、ご興味のある方はぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。

惣谷狂言

惣谷狂言

出典:惣谷狂言|五條市観光協会

惣谷狂言は、奈良県五條市大塔村の惣谷地区で、天神社と円満寺の境内で古くから奉納のために行われてきました。

たくさんの演目がありますが、毎年そのなかの2曲が奉納されます。

惣谷狂言も同様に1月に開催され、奈良県の無形民俗文化財に指定されています。

『陀々堂の鬼走り』で奈良県五條市の伝統行事を体感しよう!

奈良県五條市の迫力いっぱいの伝統行事『陀々堂の鬼走り』を紹介しました。

『陀々堂の鬼走り』は、中世以来500年も守り続けられている伝統行事です。

暗闇に燃え上がる炎と鬼たちの競演は見ものであるため、幸せをもたらす鬼に会いに、ぜひ奈良県五條市にお越しください。

踊りでオオカミを退治?奈良県五條市大塔町の伝統行事「篠原踊」とは